INSTRUCTOR INTERVIEW

阿佐美絢子さん
一日も早く新しい運動習慣の
在り方を発信したい

今回のインタビューゲストは、ここ数年の活躍が著しい阿佐美絢子さん。この取材を依頼してから数回メールをやり取りさせて頂いたが、その都度「私なんかにこのようなご依頼を頂き」というフレーズを繰り返す。本当に謙虚の塊のような女性だが、フィットネスインストラクターとしての活動を始めて6年目になるという。その間、様々な場面で多くの経験を積み、たくさんのお客様か支持される存在になってきているが、奢った部分など微塵もなく、常に低姿勢の彼女には頭が下がる思いだ。




「本当に運動が必要な人に運動を教えたい」


彼女はこれまでの経験もこれからの経験も、この揺るぎないビジョンを現実にするための糧だと、はっきりと言い切る。そのためには、多くの経験が必要だという事を分かっており、今は休日もなく貪欲に様々な仕事や勉強に取り組んでいる。若手から中堅世代で、自分が描くビジョンに向かって、建設的な思考を巡らせ、それらを設計図通りに行動に移せるインストラクターに、あまりお目に掛かったことがないのだが、彼女は一歩一歩着実にキャリアを積み上げようと頑張っている。

慎重な人ほど時に大胆だったりするが、彼女はまさにその典型だ。彼女がフィットネスインストラクターになる前の職場は、なんと裁判所と弁護士事務所だというから驚きだ。私もこの世界で25年以上お仕事をさせて頂いているが、前の職場が裁判所や弁護士事務所だというインストラクターは記憶にない。阿佐美さんは、大学では行政関連を学ぶ学部に在籍した関係もあり、法律について興味が湧き、裁判所事務官を目指したという。

「残念ながら、裁判所事務官試験は合格できなかったのですが、臨時職員として採用していただき、1年間だけですが裁判所で法についての仕事に触れる事ができました。裁判所という、社会に対し中立な立場でいなければいけない組織の中で働けたことは、私のその後の人生に大きく影響しました。何より『中立』である事が本当に心地よく思えました」
しかし、一年間の裁判所勤務の後に転職した弁護士事務所で、今度はこれまでとは真逆の経験をする事になる。


スタジオレッスンでストレス発散、インストラクターの道へ


「弁護士事務所では、基本的に弁護を依頼してきた方が、白であろうが黒であろうが、〝弁護〟しなければいけない世界です。裁判所勤務の時の〝中立〟という尺度が通用しない社会では、私の性格上、それを受け入れる事ができず、精神的にもかなりきつい期間でした」

もちろん阿佐美さんは弁護士ではないので、直接弁護業務を行うことはないのだが、ハードなデスクワークに加え、債務整理の交渉等も行うようになり、精神的にも肉体的にも追い込まれていったという。そんな中、ストレス発散のために通い始めたフィットネスクラブで、スタジオレッスンの面白さにはまった。

「フィットネスクラブのスタジオで様々なレッスンを受けて汗を流すことで、仕事に忙殺されていた時間を忘れる事ができました」

その後、弁護士事務所を退職。カフェでアルバイトをしながら、じっくりと次の仕事をどうするかリサーチを重ねた結果、フィットネス業界でインストラクターとして仕事をする道を選んだ。だが、阿佐美さん曰く〝ちゃんとしているご両親〟はこれに猛反対。仕事にならなかった場合には大学生の時にアルバイトで行っていた塾講師になるという事で説き伏せ、東京のインストラクター養成コースに通う許しを得た。養成コース卒業後、3年間地元群馬でインストラクターとしての活動をしたのちに上京。一昨年から東京での活動をスタートさせた。

「東京で一旗揚げようとか、有名になろうとか、そういう思いで上京した訳でありません。とにかく運動が必要な人に最善の運動指導を行うために、たくさんの経験を積み、勉強するために上京する決意をしました」



〝BOKWA FITNESS〟との出会い


現在の彼女の活動状況を見ると、その思いが見えてくる。単純にフィットネスクラブのスタジオでレッスンをするだけではなく、区からの委託による健康教室や、社会福祉法人が運営する知的障害者施設における運動指導など上京の際に自ら掲げたミッションをひとつひとつクリアし、経験を積んでいる。

また、勉強する事も怠らず、つい先日、健康運動指導士も取得した。更に、トレンドにも敏感に反応する姿勢も見せる。アメリカから今春上陸したばかりの注目のダンスプログラム〝BOKWA FITNESS〟のマスタートレーナーになるため、厳しいトレーニングも受けている。

「BOKWA FITNESSを学ぶ事で、世界のフィットネスを知る大きな経験をさせてもらっています。この経験を、一人でも多くのインストラクター、フィットネス愛好家の皆さんにお伝えできるように頑張りたいと思っています」

反面、こんなことも口にする。

「一日も早く新しい運動習慣の在り方を発信したいのに、まだまだ何もできていない自分が悔しくてならないんです」

この姿勢が、彼女を前進させる原動力なのであろう。漠然としたビジョンしかなく、地位や名声を高める事に奔走するインストラクターとは一線を画す阿佐美さん。彼女のような指導者がもっと認められるためにも、微力ながらお手伝いしていくことを約束し今回の章を終わりたいと思う。



INTEVIEWER 丸山 寛(有限会社スポーツゲイト代表取締役社長)


※この記事は、NEXT99号掲載分をWEB用に編集しております。
元記事:【NEXT99号 P46、47】

【Profile】

阿佐美絢子さん



公益財団法人 健康・体力づくり事業財団 健康運動指導士
公益財団法人 健康・体力づくり事業財団 健康運動実践指導者
公益社団法人 日本フィットネス協会 JAFA/ADI・REBI・SEBI
AVIAセレクトインストラクター
Daking Dance 公認ダンサー
フレックスバーオソルエクササイズオフィシャルトレーナー
EXAオフィシャルインストラクター
FLAPPER BEATアンバサダー




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