INSTRUCTOR INTERVIEW

幸野 惇さん
お世話になった方々、応援してくれている上司や先輩、同僚に恩返ししたいと思っています。
幸野 惇さん
スポーツスパアスリエ熊谷店リーダー
ラディカルフィットネスジャパン FIGHT DOコーポレート
マスタートレーナー
ラディカルフィットネスジャパン RADICAL POWER 
オフィシャルトレーナー
アクアビクスインストラクター
健康運動実践指導者

今回のゲストは、関東近郊で12店舗を展開するスポーツスパアスリエで正社員として勤務する傍ら、ラディカルフィットネスジャパンのコーポレートマスタートレーナー(FIGHTDO)を務めるなど、社内にて将来を嘱望されている幸野惇さんにお越し頂いた。
関東地方の梅雨明け宣言翌日に行われた今回の取材。朝からジリジリと照りつける真夏の陽射しに、体中の毛穴から汗が吹き出すほどの気温の中、無謀にも屋外でのイメージカット撮影からスタートした。
「いや~、暑いですね。でも熊谷はもっと暑いですよ」
と汗を拭きながら爽やかに笑う幸野君。実は彼、スポーツスパアスリエの熊谷店に勤務している。熊谷と言えば、日本で一、二を争う猛暑地区。入社以来熊谷店に配属になって今年で5年目だというが、毎日多くのことを学び、充実した時間を過ごせているという。
「私は、スポーツ系の専門学校で二年間トレーナー科に在籍していたのですが、アスリエ入社以来ジムトレーナーはもちろんのこと、プール監視、スタジオインストラクター、フロントやショップ、イベント企画、そしてオフィス業務など店舗内のほとんどの仕事を経験させてもらっています」
と、嬉しそうに語ってくれた。これだけの業務をこなすとなるとかなりの労力だと思うのだが、彼はそんなことを微塵も感じていないようだ。
「確かに業務量は多く、結果を出さなければいけないプレッシャーがあり大変ですが、そのハラハラ感がたまらなく楽しくて、いつもお客様の顔を思い浮かべて何をどうしたら喜んでもらえるか考えています」
今回の取材中、幾度となく彼の口から「お客様」という言葉が発せられたのだが、彼は意識的にお客様へベクトルを向けるようにしているという。
「私は社員ですので、一日中クラブ内でお客様の反応を見る事ができます。お客様が何を求めているのか、何を改善して欲しいのかなど生の声を常にダイレクトに聞く事ができるんですね。これは、サービス業に携わる人間にとって最高の強みな訳ですから、お客様主体の考えを意識付ける事は当然だと思っています」
25歳の若者からなかなか聞く事ができない台詞だが、彼がこのような考え方をするようになった背景には、アスリエの徹底した社員教育があるようだ。
「アスリエでは出社時に社員もアルバイトも接遇練習を行う事が義務付けられていますし、スタッフ同士でも必ず立ち上がって元気よく挨拶をします。入社以来、礼節について厳しく指導されてきた事で、お客様に対する感謝の気持ちが自然と養われたように思います」
確かにアスリエ社員の礼節に対する徹底ぶりは凄いの一言に尽きるが、専門学校を出たばかりの二十歳そこそこの青年には窮屈に感じなかったのだろうか。
「全く感じませんでした。むしろ、良かった位です。私は小学校3年から高校まで野球をやってきましたので、先輩に対する態度や言葉使い、挨拶などはきちんとして当然の世界で生きてきました。ですから、礼節を重視しているアスリエには安心感さえ覚えました」
さて、現在彼は社員でありながら社外プログラムであるラディカルフィットネスジャパンのコーポレートマスタートレーナー(FIGHT DO)を務めているのだが、社内オーディションの末、就任当時24歳だった幸野君を大抜擢したのは、同社で商品開発部部長を務める高田香代子さんだ。高田さんと言えば、他に、ピラティス団体の代表も務め、体育学のみならず経営学のマスターも取得するなど、常にフィットネス業界で妙々たる実績を残してきている方だが、この社内オーディションにおける高田さんの幸野君評を聞いてみた。
「社内オーディションにおける幸野君は、動作やインストラクションスキルは大変素晴らしいものを持っていました。が、それ以上に仕事に対する“感覚”が良かったんです」
仕事に対する“感覚”?
私事で恐縮だが、この言葉を聞いて20年以上前に高田さんから声を掛けて頂いた事を思い出した。
当時私がエアロビクスのレギュラークラスを担当していたクラブに高田さんがわざわざ受講しに来てくれた事があった。クラス終了後高田さんから「丸山さんはこのクラスのプログラミングをどこで習ったの?」と聞かれ、「誰にも習っていません。自分の感覚で作っています」と答えると、「丸山さんのプログラミングはとても理に適っているから、運動生理学的な理論をつけて一緒にワークショップを行ってみない?」
と、当時まだ20代前半だった私に声を掛けてくれた。その日をきっかけに高田さんには多くのチャンスを頂く事となり現在に至るのだが、自分でも気づいていなかった部分を気づかせてくれる人に出会い、そしてそのチャンスを掴めるか否かは、その後の人生にとってかなり重要だったと今振り返っても強く思える。幸野君もおそらくコーポレートマスタートレーナーの打診を受けたときには「えっ!?俺が?!」と思ったに違いない。しかし、そこでたじろいだり迷ったりせず、前に進むパワーとセンスを見せた事がこのチャンスを掴めた大きな要因ではないだろうか。高田さんはその部分も一つの「感覚がいい」と評価しているのではないかと思う。
チャンスとは本来皆に平等にあるはずだ。しかし、それを掴める人と掴めない人の境界線はどこにあるのだろう。幸野君と話していて感じた事、それは、小さな配慮や感謝の念、そして謙虚に取り組む姿勢があるかどうかが、その境界線のあたりに存在するという事だ。残念ながら、とても良い感覚とセンスを持っていても、自身の“得”にしか目が向いていない人には神様はチャンスを授けてくれない。なぜなら、そのチャンスを自分だけのチャンスとして滞留させる可能性が高いからだ。チャンスを貰ったならば、そのチャンスを何倍にも大きくして次の世代に明け渡す位の器量があるかないか。おそらくそこまでを神様は見越しているに違いない。幸野君にその資格があるかないか、それは今すぐ答えが出る事ではないが、アスリエに在籍する多くのFIGHT DOオフィシャルトレーナーの中から、唯一スタートラインに立つ事を許された一人なのだから、ここからが本当の勝負になるのだろう。
そんな幸野くんに今後の目標を聞いてみた。
「今までは自分のスキルを上げる事を最優先に考えていましたが、入社5年目を迎えた今、会社のため、お客様のためという気持ちが自然と芽生えてきています。しかし、そんな中でも自分の可能性を試したいという思いは強く、まずは頂いたチャンスを絶対に無駄にせず、お世話になった方々、応援してくれている上司や先輩、同僚に恩返ししたいと思っています」
学生時代まではご両親に非常に厳しい躾を受けてきたという幸野君。厳しさの中から学んだ他者への感謝という素直な気持ちを、今後は形、結果として見せていく段階に入ってきている。25歳と彼はまだ若い。一日単位で成長できるこの時期を確実に捉え、数年後更に逞しくなった彼を期待し今回の章を終わりたいと思う。幸野君、がんばれよ!






取材後記
取材当日、取材場所である弊社前で幸野君を待っていると、一台のタクシーが私の目の前でせわしなく停車した。そこから颯爽と降り立つ幸野君。え~?!
うちの会社、駅から徒歩3分ですよ~(笑)。それも、お客様待ちのタクシーの列が会社の前まで来ることもしばしば。「いや~、場所も分からないし時間に遅れたらいけないと思ってタクシーに乗ったんですけど…(汗)」と、なんともお茶目な幸野君。この取材が和やかにスタートした事は言うまでもありません

INTERVIEWER 丸山 寛

丸山寛
有限会社スポーツゲイト代表取締役社長
有限会社スポーツゲイトホームページ
URL:http://www.sportsgate.co.jp
個人BLOG:http://sportsgate.blog81.fc2.com/