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ハッピーママインストラクターになる!
インストラクターのための妊娠前~出産後の過ごし方



①妊娠前

生殖機能は体脂肪と関係が深い。
脂肪率20%を目処に維持。
子づくりを考えたら、レッスンの本数を調整して身体にも心にも余裕を。

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インストラクターの中に不妊に悩んでいる方や、妊娠しても育ちにくいという話もよく聞きますが、女性の生殖機能低下はストレスや無理なダイエット、不規則な生活、激しすぎるスポーツ等が関係している場合が少なくありません。激しいトレーニングをするアスリートは排卵障害や無月経が起きやすく、これはスポーツが身体に過度な負担をかけることでホルモン分泌のバランスが崩れたり、身体の水分量が不足するなどして、身体の正常なメカニズムを壊してしまうことがあるからです。オフシーズンには正常に戻るという人も、この状態を繰り返すことで戻らなくなってしまう人もいます。インストラクターにもこのような方がたくさんいらっしゃるようです。レッスンの本数が多く運動量が多すぎたり、インストラクターとしての体型を維持しようと体脂肪を低く抑えすぎたりしすぎると、やはり生殖機能の低下に繋がる可能性があります。体脂肪率と月経異常との関係はよく知られていますが、女性の場合、体脂肪は赤ちゃんを産み育てるためのエネルギーを蓄積するという重要な役割も持っているのです。体脂肪率は20~24%を目安にしましょう。

また、心身のストレスがホルモンバランスを崩すので、ストレスが軽減できるような生活習慣をつくること、そして身体だけでなく生活にも余裕を持つといいですね。妊娠を希望して2年以上妊娠しない場合は、やはり一度産婦人科に相談に行くことをお勧めします。流産に関しては、約90%が妊娠10週までに起こると言われています。早期流産のほとんどは、枯死卵といって、卵子が発育できない状態になってしまっていることが原因になっている場合がほとんどです。一般的に流産は全妊娠の10~15%に起こると言われています。妊娠期間は長い人生から見ればたったの10ヶ月。できれば、この期間は無理に仕事を続けようとか、一日も早く復帰しようとだけ考えずに、この時だけしか体験できない貴重な時間を過ごしていただきたいと思います。この期間に感じること、学ぶこと、体験することは、その後のインストラクター生活にとっても子育てにとっても必ず財産になると思います。レッスンを受ける参加者の立場になってみてはじめて学ぶことができる事もたくさんあります。レッスンを受けたり勉強をしたりできる時間を是非有効に使ってください。


②妊娠中

妊婦のために研究開発されたプログラムで運動を継続。
レッスンをしなくなり運動量が減るうえに、
身体の栄養吸収力が高まるので太りすぎに注意!

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体力には自信を持っているはずのインストラクターの皆さんにも、妊娠中の体には驚くような変化やトラブルが起こります。妊娠中も運動を続けてトラブルを回避していきましょう。当協会の研究で、妊娠中の運動効果は不定愁訴軽減、安産傾向、産後の機能回復、体力体型の回復に好影響のデータが出ています。
ただし、妊娠中の身体の変化を知ったうえで、適切な運動を選ぶことが重要です。
妊娠中は、黄体ホルモンの影響で関節を固定する靱帯がゆるみます。アライメントも崩れバランスがとりにくくなります。血液が増え薄くなり、大きくなった子宮の圧迫により深い呼吸ができなくなったり、胎児の成長を含む8~10kg(±2kg)という体重増加が短期間で起こるなど様々な変化があります。腹囲は90センチにもなり、お腹には皮膚の表面が裂けるように線が入る妊娠線ができる場合があります。この妊娠線は一度できてしまうとずっと残ってしまうので注意してください。産後も、お腹が出るトップスが着れるように、太りすぎにも注意して皮膚のケアをしておくことも必要ですね。
妊娠中の運動で避けたいものは、瞬発力を必要とするもの、腹圧がかかるもの、振動が強すぎるものはもちろん、関節を痛めやすい過度なストレッチ、バランスを崩しやすいものも気を付けなければいけません。腹圧をかけずにできる15RM程度の負荷であれば、マシントレーニングは続けてもかまわないでしょう。
マタニティビクスなど、妊婦用に開発されているプログラムは、体組成やアライメントの変化に対応し安全な動きが考慮されていることに加え、腰痛をはじめとする妊娠中の多種多様な不定愁訴の軽減や出産に関わるトレーニングがプログラミングされているので、専門のエクササイズを選ぶことをお勧めします。
妊娠を機にマタニティビクスに興味を持つインストラクターの方も多いですが、妊娠中は長時間の実技講座があるため講習会は受講できません。妊娠を考えたら時間をつくり、勉強をスタートしていただくのがお勧めです。資格を取るだけでなく自分自身の妊娠出産の知識としても役立つでしょう。


③出産後

6ヶ月間はアライメントを戻すことに注力!
アライメントを適正に保つことで骨盤も適正な位置に戻る。
尿モレ防止は骨盤底筋群のトレーニングで。

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産後の体力の回復は、一般的には3ヶ月から半年かかると言われていますが、インストラクターとして復帰するに当たってケガなどを起こさないために、次のことを知っておきましょう。
産婦人科では1ヶ月健診で回復を確認しますが、子宮はほぼ6週で元の状態に戻ります。妊娠中に靱帯をゆるめたホルモンは、産後急速に減少しますが、靱帯の緊張回復はゆっくりで、元にもどるまでには3~5ヶ月くらいかかります。インパクトの強すぎる動きや過度な負荷のトレーニングにならないようコントロールしてください。授乳中の乳房~4倍の重さになっています。激しい動きが胸部と乳房をつなぐ乳房基底靱帯を痛めることがありますので、しっかりサポートできるスポーツブラを使用しましょう。また妊娠中の骨盤前傾と腰背部湾曲のアライメントはボディバランスを大きく崩していますが、産後もダイナミックレンジ(バランスのとれる範囲)は狭くなっています。妊娠で伸びきった腹筋の筋力回復と同時に、抗重力筋のトレーニングをしっかり行うことをお勧めします。
産後6ヶ月は特にボディアライメントを適正な状態に戻すプログラムは重要です。マタニティビクス協会では「ボディバランストーニング」というプログラムを用意していますが、ピラティスなどでトレーニングするのもいいでしょう。脊柱のアライメントを正しく戻すことにより、骨盤も適正な状態に戻すことができます。妊娠中に開いた骨盤は、脊柱起立筋、腹筋が弱くなったままですと、上半身の重さがすべて骨盤にかかり、開いた骨盤が元に戻りにくくなると考えたほうがいいでしょう。
また、赤ちゃんの抱き方や抱きながら何かをするといった育児動作による、アンバランスな姿勢は骨盤のずれの原因になっています。とにかく産後はアライメントを良くするエクササイズを重点的に行うことをお勧めします。
また、なかなか人には言いにくい産後の尿漏れは、以外に悩んでいる人が多いのです。2回以上の出産では50%の人が尿漏れを経験しています。産後の尿漏れは腹圧性尿失禁といって、クシャミをしたりジャンプしたりしたときに起こります。骨盤底筋群のトレーニングで改善できます。
妊娠中に限らず、産後のトレーニングにおいてもちょっとした注意が必要です。インストラクターとして長く仕事を続けていくためにも、急がずゆっくりと復帰してください。

1心配な骨盤の開きやズレは産後6 ヶ月にアライメントを戻すことで解消できる!



1心配な尿漏れは骨盤底筋群のトレーニングで解消できる!





お話をお訊きした方

1日本マタニティビクス協会スーパーバイザー 安原眞知子さん
歳を重ねたり、出産や育児を経験する中で、体型の変化や体力の低下を意識し、また子育てをすれば時間や自由の制限、思い通りにならないことも増えてきます。そのマイナスとも感じられる体験は、実はインストラクションにたいへんプラスになるものです。今、フィットネス参加者が指導者に求めるものは、若さや技術だけではありません。豊かな人生経験は人間的な魅力や幅を広げ、インストラクターとしての魅力を磨いてくれます。自信を持ってママインストラクターを目指してください。
◆日本マタニティビクス協会

1981年より妊娠中、産後、ベビー、不妊症、更年期など女性のための運動療法を研究、普及する教育団体。年間多数開催の講習会で知識、技術を提供する。その運動プログラムの効果と安全性に関する研究データは国内外の学会で高く評価され、毎年10万人以上の妊婦が協会プログラムを経験し出産し、全国の認定インストラクターがその指導に携わる。マタニティビクス、マタニティヨガ、マタニティアクアなど30プログラムを有する。