INSTRUCTOR INTERVIEW

寺田 紘子さん
ピラティスに限らず、ボディワークをテーマにしたコンベンションを開催してみたい。
寺田 紘子さん
・STOTT PILATES FULL認定インストラクター
・PILATES ACADEMY INTERNATIONAL認定インストラクター
・YAMUNA FOOT FITNESSプラクティショナー
・JAFA /ADI
・栄養士
・一般社団法人親子体操協会/ピラティスアドバイザー
・日本野菜ソムリエ協会/ジュニア野菜ソムリエ

今回のゲストは、現在ピラティスインストラクターとして精力的な活動を行っている寺田紘子さん。この記事の取材、まずはゲストの写真撮影場所をどこで行うか、カメラマンの長塚さんと相談するところから始まるのですが…。
「私、神社とかお寺とか大好きなんです!」
と寺田さんから遠回し、いや直球なご要望が(笑)。
では!ということで、とある神社(神社入り口?!)での撮影となった。寺田さんの向日葵のように元気いっぱい明るい笑顔の後ろに風情を感じる境内。一見ミスマッチな画ですが、なんだか妙にしっくりくる。寺田さんが発する、穏やかな中にも確かな意志を感じるエネルギーが、そう思わせるのだろう。さて、今回、ゲストをお願いした寺田さん。いつ会っても“安定したポジティブオーラ”を放つ、本当に明るく素敵な女性である。“安定した”という言葉をあえて加えたのは、彼女が放つそのオーラは本当に心地よく、ナチュラルなホスピタリティマインド、気配り心配りは、常に精神状態が安定しているからこそ自然にできることだと感じている。その源がどこにあるのか、彼女にいろいろと話を聞いている内に見えてきた。
「子供のころは人見知りで、独りでお人形で遊ぶことが好きな、暗い子供だったんですけどね~(笑)」
と笑いながら話す彼女だったが、ある瞬間、表情をやや硬くし、ゆっくりと話を続けてくれた。
「今から10年ほど前に、一度結婚を失敗していまして…。若気の至りというのでしょうか。25歳の時に結婚をして、いろいろとあり一年で別れました」
今では再婚し、理解ある旦那様と楽しい毎日を送っているというが、当時は、精神的に相当きつい時期だったという。この時、今の寺田さんのホスピタリティマインドを形成する、大切な時間を過ごし学んだという。
「当時、本当に精神的にどん底でしたが、そのときにアルバイトをしていたフィットネスクラブの仲間からの励まし、お客様という存在の有難さ、そして夢中になって受けていた大好きなエアロビクスが支えとなり、辛い時期を乗り越えられました」
今、彼女が皆に対して気遣うその姿は、自らの経験からくる部分も多いのだろう。彼女には私自身も仕事を依頼することが多いのだが、私への対応、スタッフへの対応、お客様への対応、全てが平等で、何より謙虚さを忘れていない。人によって態度や言葉遣いを変えたり、仕事の価値をお金という物差しでしか測れない、または自分中心でしか物事を考えられない人間がいる中で、寺田さんは人や社会との関わりの中で、何が大切なのかを隅々まで理解していると感じている。ある本に、「自由」と「わがまま」のボーダーラインは何か?という問いかけに、とある歴史上の人物がこう答えている。「それは、他者に対して、迷惑をかけているかいないかだ」と。何か発言をしたり行動を取ろうとしたとき、その事実は誰かの手を煩わせたり、迷惑をかけたりしていないか、一度立ち返って考えてみる事を、お勧めしたい。私自身も、この言葉に触れてから、折に考えるようにしている。もちろん、ビジネス上では自分の主張を通すことが大切な場面も当然あるのだが、人と人との関係を考えたとき、とても大切な事である事に間違いない。なぜなら、ビジネスはそのスキルや条件の前に「人」と「人」との信頼関係があって始めて成り立っているのだから。寺田さんを見ていると、この部分が卓越しており、彼女と話している事が、自分への戒めにさえなっている。
さて、その寺田さん、今はピラティスインストラクターとしての活動が中心となっているが、どのような経歴を経て、このフィットネス業界の仕事が始まったのだろう。
「私は、もともと栄養士をしていまして、病院や老人福祉施設で働いていました。栄養士と言っても、大学を出たばかりの駆け出しでしたので、食器洗いから調理、雑用、何でもやっていました」
栄養士の仕事は3年間行ったというが、肉体的にも精神的にもかなりきつい3年間だったという。その後、栄養士の資格を活用できる、食品関係の広告代理店に転職し、数年間勤務をした後に退職。大好きだったエアロビクスのインストラクター養成コースに通う事となり、フリーのインストラクターとしての活動が始まったという。
「フリーと言っても、最初からフリー一本で生計が立てられるほど本数を持てませんでしたので、その他に、フィットネスクラブでのアルバイト、某大手食品メーカーのお客様電話対応を並行して行っていました」
現在、彼女が仕事をする上でのお客様に対する応対スキルは、この時の電話対応で学んだ事がかなり活かされているという。
「電話対応と言っても、ほとんどがクレーム処理です。CMに起用しているタレントが気に入らないとか、ある商品の味が好きじゃないとか、自己中心的な意見をぶつけてくる人ばかりで、いかに冷静に話を聞き、少しでもそのお客様の不満を和らいで電話を切る事ができるか、随分とトレーニングされました(笑)」
その後、フリーインストラクターとして一本立ちしたタイミングでピラティスに出会い、現在はピラティスインストラクターとして、グループ、パーソナルセッションを合わせ週に約25セッションをこなすなど、多忙な毎日を送っている。
「ピラティスに出会った当初、いろんな先生のいろんなメソッドのピラティスを受けるが余り、頭の中が整理できず、嫌いになりそうだったのですが、ある男性トレーナーのクラスを受けたことをきっかけに、その効果やクラスとして面白さに気付かされたんです」
その面白さとはどういうものだったろう。
「ピラティスは、効果を感じるまでに少し時間が必要なので、効果が分かるまでの過程の中で、退屈なマット運動と受け取られる事も度々あるんですね。私もその一人でしたが、この男性トレーナーは、ユーモアたっぷりにピラティスの効果についての説明をしてくれ、エクササイズ個々の目的も明確に教えて頂けたので、ピラティスの魅力に一気に引き込まれました」
現在では、クライアントにエアロビクスインストラクターの方も増えてきているという。
「私も、もともとエアロビクスインストラクターでしたので分かるのですが、エアロビクスはアウターマッスルを優位に姿勢や動作をコントロールしてしまいがちだと思うんですね。それが、関節や筋に対してストレスとなり、蓄積されると怪我や故障を引き起こす原因にもなると思いました」
そういった説明を丁寧にしたところ、少しずつエアロビクスインストラクターのクライアントが増えてきたという。最後に彼女に今後の活動目標について聞いてみた。
「ピラティスに限らず、ボディワークをテーマにしたコンベンションを開催してみたいという夢があります!」 
今回の取材を通じて、ピラティスの奥の深さや面白さを存分に教えて頂いた。彼女の夢である、“ボディワークコンベンション”の開催に向け、何かしらのサポートを約束し、今回の章を終わりにしたいと思う。






取材後記
“ちゃんとしている”という表現が、ぴったりあてはまる寺田さん。身なり、言葉使い、佇まい、雰囲気、コミュニケーションなどなど。どれを取っても本当に“ちゃんとしている”。今回の取材にあたっても、自身の経歴書、プロフィールを持参し、取材後も帰りの道すがらにお礼のメールをくれるなど、社会の常識が身についている事が、ふとした瞬間に見てとれる。弊社のスタジオとジムでも指導をしてもらっているが、これからも安心して仕事を任せられると思う反面、“ちゃんとしていない”部分も見てみたくなる、私のイジワルな性格が顔を出し始めたことを、てらにはこの場を借りてお伝えしておきたいと思う。

INTERVIEWER 丸山 寛

丸山寛
有限会社スポーツゲイト代表取締役社長
有限会社スポーツゲイトホームページ
URL:http://www.sportsgate.co.jp
個人BLOG:http://sportsgate.blog81.fc2.com/