INSTRUCTOR INTERVIEW

伊藤 まどかさん
自分も含め周りの皆さんの『健康寿命』を
長く出来るような活動をしていきたいと思っています

伊藤まどかを初めて知ったのは、私がアドバイザーを務めるジェクサーフィットネスクラブでのスタジオインストラクターオーディションに彼女が一受講者として参加した時だった。場所は確か戸田公園店。その日、スタッフから、「伊藤まどかさんが受講します」と言われ、彼女の事を全く知らなかった私は、「伊藤まどか?誰??」という具合にさほど関心も無く、初めて顔を合わせたときの挨拶もあっさりと、決して印象に残るものではなかった。あのオーディションから何年経ったのだろう・・・。そんな、まどかが今では私が最も信頼のおけるインストラクターの一人であり、本やDVDを出版するほどの活躍ぶり。世の中本当に分からないと、今この原稿を書き始めながら当時を思い出した・・・。 フィットネスインストラクター伊藤まどか。3歳から初めたというクラシックバレエ歴は20年以上。並行して水泳、合気道なども行い、スポーツ漬けの学生時代を送る。「子供の頃から体を動かす事が好きで、学生時代は将来体育教師になりたいと思っていました。そんな夢もあって、高校は某大手体育大系列の高校に進学しました」
おそらく、ここまでは両親も友人も皆、まどかは体育大に進学して体育教師になるものだと思っていただろうが、ここで急激な方向転換をすることになる。
「実家が製菓業を営んでいるんです。それまでは、体育教師になることしか考えていませんでしたが、高校まで好きな事を思う存分やらせてくれた両親への恩返しという思いもあり、家業の手伝いができればと調理師の専門学校への進学を決めました。ですが・・・、卒業後、ワシントンホテルに就職、洋食調理科に配属され、家業を手伝う暇もないくらい忙しい日々を過ごす事になってしまったんです(笑)」
そんなまどかを自由にのびのびと育ててくれたのは、大らかな性格の父親と、まどか曰く「天然」な母親である。まどかのやることは全て応援してくれたというご両親であるが、このご両親、ただならぬプロフィールの持ち主である。なんとお父さんは元俳優。現役時代は今でもテレビや映画で活躍している有名な俳優さん達との共演もしていたという。そして、お母さんは元モデル。これまた大手デパートのイメージモデルをしていたというから、まどかはとんでもない血統書つきのサラブレッドである。ちなみに弟も舞台俳優の経験を持ち、かなりのイケメンである。
「父も母も、自分の考えをしっかりと持っている人でしたね。生き方はかなり影響されたと思います」
ワシントンホテルでは3年半ほどシェフとして働いていたというが、なぜ再度体を動かすことに目覚め、フィットネスインストラクターという仕事を始めたのだろうか。
「実は、母が糖尿病と高血圧症の合併症を引き起こして倒れてしまい、数日間危篤状態で生死を彷徨った事があったんです。つい数時間前まで元気に仕事、家事をしてくれていた母が突然倒れたことで、本当の健康ってなんだろうと悩み苦しみ、その時、人の健康に直接携われる仕事をしたいと思ったんです」
まどかは母親が倒れた時、主治医に「なぜこんなになるまで家族は誰も気付いてあげなかったんだ」と、強く叱責されたと言う。身内の健康状態さえも分からなかった、母に対する償いの気持ちもこの仕事を始める原因になったのではないだろうか。
そのお母さんは今では回復し、健康的な生活を送っているというから、まどかの想いが伝わったのだろう。
その後、フィットネスインストラクターとして、順調にキャリアを積んでいくことになるが、当初は戸惑いもあったという。
「エアロビクスインストラクターとしてデビューして数年で、有難い事に色々なお仕事をさせて頂いたのですが、まだまだ経験も実績もない自分に本当に務まるのだろうか?という自問自答を繰り返す日々でした」
まどかのこの状況、私にも経験がある。まだ、エアロビクスインストラクターとして活動する前の養成コース中に、エアロビックの競技会で優勝したのだが、その直後からイベント依頼が全国各地から舞い込み、急遽見切り発車的に所属スタジオからデビューさせてもらった。当時業界内では“エアロビックチャンピオン=素晴らしいインストラクター”という図式が完全に構築されており、その中でインストラクター経験のない私がチャンピオンとしてイベントクラスを担当することが、どれだけのお客様を落胆させたことか・・・。今、考えても恐ろしくなる。しかし、あの時の経験が私のフィットネスキャリアにとって非常に重要になっている。まどかも同じように当時苦しんだ経験を活かし、素晴らしいキャリアを積み重ねてきている。テレビ番組でのレギュラー出演、某大手サプリメント会社のCMや多数の雑誌でモデルとして出演するなど、華々しい経歴を積み上げてきている。もちろん、インストラクターとしてのスキルも業界内外から認められており、その結果、NIKE契約アスリート、大塚製薬フィットネスプロスタッフ、ラディカルフィットネスジャパンマスタートレーナーチームサブチーフなど、企業との関わりも多くなり、それぞれの企業にとってなくてはならない存在になっている。
「企業さんとのお仕事では、本当にたくさんの事を学ばせて頂いています。特に自分自身がウィークポイントだと感じていた、インストラクターの教育事業については、数年前から全国各地で研修事業をやらせて頂くチャンスをもらい、その中でたくさんの事を学び、そしてたくさんの引き出しを作ることができました」
以前にも同様の悩みを私に言っていた事を思い出したが、ウィークポンイトだと感じているのは本人だけであることは、まどかの研修を受けたインストラクターであれば、皆一様に分かっているのではないだろうか。私はまどかほど多くのジャンルを高いレベルでカバーできるインストラクターを見たことがない。エアロビクスはもちろん、ダンス系、ヨガ、格闘技系、アクアなど、その全てが第一線にある。そして、何より“仕事人”として、プロフェッショナルな熱いマインドを持っている。まどかは基本的には謙虚な人間だが、いざそれが仕事となると、『言うべき時は言う』凛とした姿勢、『引くべき時は引く』という状況判断の適切さを併せ持っている。そんなまどかが今後の活動目標にしていることがあるという。
「自分も含め周りの皆さんの『健康寿命』を長く出来るような活動をしていきたいと思っています。日本は世界一の長寿国ではありますが、80歳を超えても元気にフィットネスクラブに通ってくれる『健康長寿国日本』を目指し、そのために何が出来るか?それは今後の課題でもあり、自分に対する期待でもあります」
“健康長寿”。本当にいい言葉である。私もまどかの夢に乗っかり、まどかを応援し、そしてまどかの生き方に、今まで以上に期待したいと思う!






取材後記
人が大好きで、ビールが大好きで、そして、仕事が大好きなまどか。話をしていても、冗談で周りを爆笑させたかと思うと、突然マジメな仕事の話に変わってしまう。そんなまどかのボキャブラリーの多彩さと頭の回転スピードには、いつもついていくのがやっとだが、彼女の活躍はまだまだ始まったばかりのような気がしてならない。これからも今までのように、まどかオリジナルのレールを世界各地に敷いていって欲しい。まどか、がんばってね!

INTERVIEWER 丸山 寛

丸山寛
有限会社スポーツゲイト代表取締役社長
有限会社スポーツゲイトホームページ
URL:http://www.sportsgate.co.jp
個人BLOG:http://sportsgate.blog81.fc2.com/