My Dream,My Business ~ビジネスで夢をかなえる~

湯本昌造さん
株式会社PASO -TORE 代表取締役社長
パーソナルトレーナーが働きやすい環境をつくる
湯本昌造さん Profile
1979年長野県出身。小学生から柔道を始める。2001年株式会社コナミスポーツ&ライフに入社。2006年に上京し、パーソナルトレーナーとして活動を開始。2012年に株式会社PASO-TOREを設立。

パーソナルトレーニングとの出会い
 学生時代に柔道をやっていた湯本昌造さんは、大学卒業後、実家のある長野県のスポーツクラブで働き始めた。それまでスポーツクラブに行ったことはなかったが、トレーニングが好きという理由から、それほど深く考えずに就職を決めた。スタジオレッスンやジム指導、フロント対応などを行いながら、それなりに楽しく働いていた。しかし、明確な目標はないままに日々が過ぎていた。01パーソナルトレーニングとの出会い そうして働き始めて5年ほど経ったころ、転機が訪れた。先輩の女性スタッフが結婚を機に東京へ行き、しばらくして彼女に会ったところ、驚くほどスタイルがよくなっていたのだ。わけを尋ねると「パーソナルトレーニングを受けたから」という答えが返ってきた。それまでパーソナルトレーナーという職業を知らなかった湯本さんにとって、衝撃的な出会いだった。「長野県には当時パーソナルトレーナーはいませんでした。ですから、その職業についてもまったく知りませんでした。そういう仕事があるのだと知って、感動しました。それまでも楽しく働いていましたが、こんなにも目に見える効果をトレーナーが提供できるんだと知り、自分もそういう仕事をしたいと思うようになりました」
 そして、セミナーや講習会などに参加。半年ほど経った06年に、パーソナルトレーナーになることを決め、上京した。
フリーでの活動から新たなチャレンジへ
 上京してから2年間ほどは、フリーのパーソナルトレーナーとして活動していた。大手の総合クラブで働いていたときとは違い、お客さまと密な関係を築きながら成果を提供できることが、日々楽しかった。いくつかのパーソナルトレーニングジムで働くうちに、少しずつ自分が本当にやりたいことが見えてきた。そして同時に、その「やりたいこと」と働いているパーソナルトレーニングジムのオーナーとの考え方の違いを感じるようになっていった。
 そんなとき、フィットネスクラブ一撃のオーナーに誘われ、責任者として運営を任されることになる。同社の社員としてクラブを自分の理想に近づけるべく、日々仕事に邁進していった。
 湯本さんは、お客さまへの食事指導や自宅で行う運動の指導など、メールでやりとりを行っていた。そうしているうちに、パーソナルトレーニングを提供するお客さまがどんどん増えていった。多くの人とコミュニケーションをとりながら、「これをもっと便利に、簡単に行う方法はないか」と考えるようになる。そして、いくつかの既存アプリを利用してみるが、使いやすいと思うものになかなか出合うことができない。自分でアプリをつくろうと考えるようになった。「もともと携帯アプリやインターネットサービスなどに興味がありました。自分が使いやすいものをつくれば、多くのパーソナルトレーナーとそのお客さまがもっと働きやすく、トレーニングしやすくなるのではないかと考えました。ITについて勉強するうちに、フィットネス業界はほかの業界に比べてITが非常に遅れていると実感しました。そして、自分でアプリをつくろうと決めました」
 それまではフィットネスクラブ一撃の社員として働いていたが、新しいことを行うためには独立することが必要と考えた。そして、12年10月に株式会社PASO -TOREを立ち上げた。
イメージをかたちにしたアプリを開発
 独立後も、業務受託してフィットネスクラブ一撃の運営を行い、これまで通りパーソナルトレーニングのセッションも行った。一方で、独立の目的でもあったアプリの開発を行っていった。独立前からイメージはできていたが、それをかたちにしていくことは想像以上に難しいことだった。「私が考えたことを、プログラマーとデザイナーに実際にかたちにしてもらうのですが、イメージをうまく伝えられずもどかしい思いをすることも多々ありました。やりたいと思っていても、技術的、経済的に難しいこともありました。また、現代のスピード社会においても、IT業界はとくにその流れが速く、よいアイデアがあってもそれをすぐ実行できなければ負けてしまいます。完全なものではなくても、とにかくかたちにして世に出すことを目標に進めていきました」
 そうして、今年2月にできたアプリが「ぱそとれ」である。独立前までに貯めた自己資金約300万円のほとんどをかけてつくった。まだ完成形とはいえず、今後もアップデートを続けていく予定だ。「それまで貯めた資金をすべて使うことは、怖くはありませんでした。これまで通りパーソナルトレーニングと店舗コンサルティングだけを行っていれば利益は増えていったと思います。でも、パーソナルトレーナーがより働きやすくなるためには、新たなことにもチャレンジしなくてはいけないと感じていました。ただ、つくるだけではだめで、それなりに広告宣伝も行わなければ広まっていかず、投資額が大きいので不安になることはありました」
 そもそも、湯本さんはこのアプリから大きな収入を得ようとは考えていない。パーソナルトレーナーが働きやすくなることで、お客さまが増え、広がっていくことを目的としている。まだ、その理想まで遠いが、「1人ダウンロードされるだけで嬉しい」と話す。
パーソナルトレーナーが働きやすい環境をつくる
 今後の目標は、アプリユーザーを5万人に増やすこと。現在、一般ユーザーは無料、トレーナーは有料(500円)で提供しており収益にはあまり結びついていないが、ユーザーが増えたら次のステップに進みたいと考えている。「通販サイトをつくり、オリジナル商品を販売していきます。そこでは、トレーニングで使うものや、健康や美容によい、本当にいいものだけを扱う予定です。また、一般ユーザーには、ジムの紹介、トレーナーには研修やセミナーの募集、仕事の紹介などを行っていきたいと考えています。その前にまずはユーザーを増やすことが必要です。本当にいいアプリだったら自然と広まっていくと思うので、アップデートしてクオリティを上げていくことからです」
 最終的には、パーソナルトレーナーが働く場として、ジムの経営も行っていきたいという湯本さん。パーソナルトレーニングを世の中に広めるために、日々邁進している。
名前株式会社PASO-TORE
所在地 〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西1-21-3-1001
Tel.03-6277-5403
ウェブサイト http://www.paso-tore.com/
設立 2012年10月
資本金 300万円
組織 4名
収支構造【売上】パーソナルトレーニング、施設運営受託、アプリ利用料 など
    【経費】人件費、アプリ開発費 など
名前ぱそとれ
名前
スマートフォン向けパーソナルトレーニング用アプリケーション。体重・体脂肪・食事・運動・ボディを記録し、管理する。トレーナーとお客さまの連携が可能。