My Dream,My Business ~ビジネスで夢をかなえる~

坂田直明さん
サンテプラス株式会社 代表取締役
日本発、スモウ発のフィットネスを世界に普及させたい

坂田直明さん Profile

サンテプラス株式会社代表取締役。1971年東京都新宿区生まれ。立教大学社会学部卒業。在学中は、相撲部主将。2段。同年 に松下電器産業(株)に入社し、約5年半、ロシア駐在も含め、旧ソ連の家電市場の販売
網開拓に携わる。2003年、仏HEC経営 大学院で経営学修士(MBA)修了後、日本ミシュランタイヤ(株)で営業部長として、 当時の販売記録を達成。2006年5月、サ ンテプラスを設立。立教大学相撲部コーチ。
立教大学経営学部非常勤講師。

スモウエクササイズで起業?
サンテプラスの設立は2006年5月。設立準備はその約半年前から進められていた。立教大学体育会相撲部出身で、当時サラリーマンだった坂田直明さんは、フィットネスクラブに通うたびに「相撲の動きを採り入れれば、体に効くのになぁ」と思っていた。もともとサラリーマンは3年で辞めて起業しようと思っていたが、既に社会人になって早10年。そろそろ起業を、というタイミングと、相撲への想いが蘇るタイミングが一致した。「週末に母校でコーチをするようになって、相撲の動きが本当に身体づくりに効くことを実感していたんです。学生の時は、“キツイ練習”くらいにしか思っていなかったんですが。これをプログラムにして、ライセンス販売すればビジネスとしても成り立つのでは、と思いました」その発想は、坂田さんの経歴も関係している。坂田さんは、学生時代以降長い期間を海外で過ごし、世界に触れることで、日本人であることの自覚や、世界に広く認知されている「相撲」のフィットネスとしての優れた点を誰より感じていた。
だが、周りの人からは『お前そんなアイデアで起業すんの?』と言われることのほうが多かった。それでも坂田さんは着々と準備を進める。週末には立教大学コミュニティ福祉学部の沼澤秀雄教授とプログラムの内容を詰め、開発に協力してくれそうなインストラクターをネットで探した。そうしてついに「スモウ・コア・エクササイズ」を完成させる。会社では営業部長として、12月の販売商戦で新記録を達成したことも一つの締めくくりとなり、2006年1月最初の営業日に辞表を提出、起業に向けての一歩を踏み出した。
挫折から生まれた「フレックスクッション」
現在主力商品となっている「フレックスクッション」は、「スモウ・コア・エクササイズ」のストレッチパートで使用する付属品として開発されたもの。坂田さん自身が、学生時代に体が硬く、「股割り」に苦労した際、土俵の俵(高さ5cm =フレックスクッション前方の高さ)にお尻を乗せるとラクにストレッチできることをヒントに沼澤教授のアドバイスを得ながら開発したものだ。当初想定していたビジネスは「ライセンスビジネス」。プログラムを商品パッケージとして販売していこうというものだった。当初から販売先として米国を見据え、2006年3月のIHRSAコンベンションに参加。
契約が実現しそうな見込み先を見極め、すぐにビジネスがスタートできると信じ、6月に再渡米。

だが帰国後、なかなか連絡が来ない。日本特有の「義理人情」で一つのスタジオに優先権を提供するべく提案先を絞り込んでいたことが仇となった。結局、スモウエクササイズは不採用。だがここで一つのヒントが見つかった。フレックスクッションの評価が思いのほか高かったのだ。そこで、坂田さんはすぐにビジネス展開の方向をソフトからハードへと修正、フレックスクッション自体を商品化することにした。
「日本で、ものづくりをビジネスにするときに問題となるのは、高コストになってしまうことです。資源が限られた創業間もない会社がそれを実現しようとするには、相応の戦略が必要でした。私は、アウトソース化、ダイレクト取引、法務戦術という3つの方針を立てました」アウトソース化とは、自社のコアコンピタンスとなる商品の設計や資材の選定部分以外は、できる限り外部企業に委託すること。ダイレクト取引とは、資材の調達などを大手企業に直接依頼することや、販売や各種手続きも中間業者を通さないことでコストを低減しようとすること。そして法務戦略とは、知的所有権を守るために国内外で特許や商標を取得しておくことである。
こうした戦略遂行には、サラリーマン時代の営業経験が存分に活きた。アウトソース化、ダイレクト取引と簡単に言っても、創業間もない企業を相手にしてくれる会社は少ない。
ダイレクト戦略で黒字化
こうして創業から約半年で商品が完成。満を持して販売を開始した。価格はコストから割り出して12,600円に決定。販売も『ダイレクト戦略』に則って、自ら商品を抱えてフィットネスクラブやプロ・実業団チームに足を運んだ。販売の契機となったのは、ベンチャー企業が集まる展示会に出展したこと。体験ーナーを設置したところ、3日間で15個を販売。大手通販会社から定価を10,000円未満に抑えてくれれば大量発注するというオファーも得て、本格的な生産体制に入った。2007年4月に価格を改訂。創業当時「スモウ・コア・エクササイズ」を紹介に行ったニューヨークのスタジオでもフレックスクッションを使用したプログラムが息づいており、それが日本の新聞記事として取り上げられるなど、営業上有利になるトピックも揃ってきた。間もなく日本の大手フィットネスクラブでの採用も決まり、販売個数は徐々に増えていった。「お蔭さまで、2007年末にようやく黒字化しました。1年目は給料なし。資本金の500万円もあっと言う間になくなり、親戚からの借金は最大で1,200万円くらいまで行きました。資金的に厳しかったのは資材調達の前金払いのため。大手と直接取引する上で必要だったとはいえ、回収までに約3ヶ月かかるので、この運転資金の確保がたいへんでした。それでも販売の際に代金引換や納品後10日以内の振込での決済をお願いして、返済の目処がつく範囲での借り入れに抑えていました」
現在では、その借り入れもすべて返済。経常黒字化も果たし、自身の給与も得られるようになった。
avec KIAI
坂田さんのモットーは2つある。一つは「まずアクション!そこから臨機応変に」。これは起業してから今までの経験から学んだことである。「信じてアクションを起こせば、出会い、挫折、ヒント、ひらめき、決断、改善、方向転換など多くのヒントも得られる」。これを続けていけば目標に近づける。もう一つは、「avecKIAI!」。これはフランスで習った空手の先生がよく口にしていたことばである。「avec」は英語で「with」の意味。「KIAI」は「気合い」。先生曰く、「『気合い』はフランス語には訳せない。」坂田さんは、この「気合い」のように、スモウの魅力をそのまま世界に伝えることを目指す。
現在の目標は、年間12,000個の国内販売と、欧米圏への販路拡大。2008年3月にはIHRSAコンベンションに出展した。今年はIDEAコンベンションへの出展も計画中。フレックスクッションに続く、第2弾の主力商品も今年中に発表の予定である。「日本ではストレッチポールぐらい普及することが一つの目標です。また、フィットネスの情報発信地であるアメリカやヨーロッパにも販路を見つけたい。日本発、スモウ発のフィットネス器具として、世界に普及させたいと思っています。
名前サンテプラス株式会社
会社名の由来 サンテ=健康(仏語)とプラス=もっと(仏語)をつなげた造語
所在地 東京都港区三田3-4-1 MINATOインキュベーションセンター
Tel.03-5443-6585
ウェブサイト http://www.santeplus.
設立 2006年5月15日
資本金 500万円
組織 (役員)3人(常勤1人) (従業員)1名
収支構造
(売上)フレックスクッション及びエクササイズDVDの販売収入
(経費)倉庫代 10万円 オフィス代 10万円 通信費 5万円
従業員 25万円 ネット関連 10万円 その他展示会諸費用
名前フレックスクッション
名前相撲の「股割り」をヒントに開発。座るだけで骨盤が立ち、体の硬い人でも楽にストレッチ運動ができる。製造や特許の面で大手一部上場のメーカーの協力を得て、2006年11月に発売開始。プロ野球4球団、福島大陸上部、旭化成陸上部、国士館大柔道部、東海大柔道部、卓球日本代表、NECラグビー部、高砂部屋、ティップネス、ルネサンス、ハイパーフィットネス、伊勢丹新宿メンズ館、東急ハンズ渋谷店等に採用され、累計販売個数は10,000個を突破。色はブラック・パールホワイト・ベージュの3色。別売りのDVDもある。