プロフェッショナルなトレーナーを目指す方へ

モチベーショナルカウンセリング
有限会社 スポーツモチベーション
代表取締役
中野ジェームズ修一さん

3分間で10~15個の「ああやりたい」「こうやりたい」を引き出し、優先順位をつけて的確に要望に応える
モチベーショナルカウンセリング
基本的な考え方
カウンセリングの第一歩は、クライアントが何を望んでいるのか、どうな りたいのかを聞くことです。ただ、初対面のトレーナーに自分の要望を的 確に伝えられる人は少ないし、日本では特に『カウンセリング』や『パー ソナルサービス』がまだ定着していませんので、あまり時間をかけても「早 くトレーニングしたい」と思わせてしまったりします。ですから、要望を 聞きだす時間は3分を目安に。その間にできる限り多くの要望を引き出せる ように環境をつくり、聞いた内容は専用のシートに書き込んで、クライア ントと一緒に将来像を明確化していきます。紙に書き出すことで、クライ アント自身も自分の気持ちを確認することができ、要望に優先順位をつけ ておくことで、「これが達成できたら、次はこれをやりましょうよ」と、先 の目標まで共有できる。トレーナーは、医療従業者ではないので、高度な「治 す技術」特別な技術を持っていなくてもいいんです。クライアントは一緒 に自分を運動させてくれる、モチベーションを維持するサポートをしてく れる人を求めています。一緒に導いてくれる、一緒に歩いていってくれる というイメージを持っていただくことができれば、自然に長い契約に繋げ ることができるんです。
名前
このカウンセリング技術のポイント

1.クライアントが話しやすい環境をつくる
3分間で10~15個の「ああなりたい」「こう なりたい」を引き出すうえで、環境づくりがま ず重要です。話しを聞く「うなずき」や「相づち」、 「ペーシング」の技術も使えるようになることが 理想です。ペーシングとは、相手の話し方に合 わせる技術で、例えば、形容詞が多い人であれば、 形容詞を多く、理論的に話をする人であれば、理 論的に話すというものです。「接客は笑顔で」と よく言われますが、カウンセリングでは必ずし もそうではありません。相手が気難しい理路整 然と話をする人であれば、その人の話し方に合 わせたほうが心を開いていただきやすい。した がって、パーソナルトレーナーは相手によって 自分を七変化できるとクライアント層を広げら れることに繋がります。



ペーシングの技術=相手の話し方に合わせる技術

●アクションペーシング:相手が身振り手振りが多い人であれば、自分もそれに合わせる
●スピークペーシング:相手が話している言語に合わせる。形容詞・感嘆詞の量など

2.出された要望に優先順位をつけて、順位の高い目標から情報収集する
3分間にクライアントが話す要望を箇条書きで 「モチベーションシート」に書き留めます。次に、 話をしながらそれを順位づけていきます。その 後、優先順位の高いものから順に、プランをつ くるうえで必要となるクライアントの現状を確 認し、運動プランを提示していきます。ここで 大切なのは、優先順位の高い目標に対して情報 を収集するということです。また、人格心理学 の観点も含めた情報収集を行い、そのタイプに 合わせた運動プランを提示できればより理想的 です。
「ああなりたい、こうなりたい」を動因と言い、 それをかなえるための方法を伝えることを「誘 因の提示」と言います。「一番優先順位の高いこ の希望に対しては、私はこんな方法でかなえて いきたいと思っています。2つ目の希望に対して は…」という具合です。ここでは自分にできる ことと、できないことを明確に伝えることも大 切です。医師の診断が必要なものや、自分の得 意分野ではないことについては、相応の人を紹 介したり、違う人に相談して貰うよう促すよう にしています。
3.モチベーションシートとトレーニングブックを手渡す
セッションの最後には、オリジナルのトレー ニングダイアリーに、1週間の宿題を書いて渡し ます。宿題といっても、2人で話しながら、トレ ーニングができる日や内容をクライアント自身 に決めて貰います。ダイアリーは、その内容が 分かりやすく、実際にやった時に内容が記入で きるようになっています。クライアントが自分 でできる日と量を決めるので、実践できる可能 性が高まります。トレーナーにとっては、その クライアントの目標を達成するためには、この くらいの運動をして欲しいなという内容があり ますが、それが先行してしまうと、結局実践で きず挫折に繋がりかねません。本人が自分でで きるという内容からスタートして、少しずつで きることに気づいていただくように質問をなげ かけます。
モチベーションシートのコピーとトレーニン グダイアリーをお渡しすることは、「このトレー ナーは、目標をこのように順位立ててくれて、こ んな提案をしてくれた」、と1人になって振り返 ることができ、当初抱かれやすい不安感や不信 感を払拭できることにも繋がります。



有限会社 スポーツモチベーション 代表取締役 中野ジェームズ 修一さん Profile

米国スポーツ医学会認定の指導員と して、国内外で生活習慣病予防の運 動や歪み改善、メンタルヘルスなど の講演会を年間で60本以上こなす 傍ら、日本を代表するトップアスリ ートからモデル、若年者から高齢者 まで多くの クライアントの指導に 携わり、3年先までアポイントがい っぱいの売れっ子トレーナー。トレ ーナーは、パートナーでありモチベ ーターでありたいという思いで活動 している。
その中野さんが提唱するのは、「強 制しない 」「楽しく」「やる気がおき、 継続につながる」独自の指導法「モ チベーションテクニック」。大手ス ポーツクラブやトレーナー養成コー ス、専門学校などで高く評価され、 過去約600名(2008年6月1日現在) ものトレーナー達が受講している。