My Dream,My Business ~ビジネスで夢をかなえる~

下倉淳介さん
有限会社ダックスカンパニー代表取締役
株式会社クリエイティブリソース取締役
トレーナー・インストラクターに活躍の場を提供

坂田直明さん Profile

1982年佐賀県生まれ。健康や運動、医療に関心をもち、高校卒業後に上京。トレーナー、整体について学び、専門学校卒業後2年間パーソナ ルトレーナー、整体師としてフリーランスで活動し、有限会社ダックス カンパニーを設立。フリーのトレーナーのプロデュースやマネジメント を行う。また、2009年よりビジネスパートナーと立ち上げたIT企業、 株式会社クリエイティブリソースにて取締役として活動。健康・医療・美容に関するコミュニティ「ノーボーダー」にて主宰を努める。

フリーのトレーナーが食べていく厳しさ
パーソナルトレーナーとして活動した後、フリーのトレーナーやインストラクターの活躍の場をもっと広げたいという思いから、有限会社ダックスカンパニーを設立した下倉淳介さんは、小学生のころから運動と医学に興味を持っていたという。高校在学中、これら両方と関わる仕事をしたいとトレーナーを志すことを決意し、卒業後に上京して専門学校に入学した。2001年にNSCA認定パーソナルトレーナーの試験に合格し、専門学校卒業後パーソナルトレーナー及び整体師として活動をスタートさせた。
フリーで活動している期間は、毎日働いても収入が月に10万円程。「フリーで食べていくことの厳しさを実感する日々だった」という。その経験から、「ひとりでも多くの人を健康にする」「インストラクター、トレーナーの活躍の場を増やしたい」という2つの思いが強まっていった。そうしたなか、医療機関や企業との提携業務も増え、法人として活動するほうが選択肢が広がるという理由から、有限会社ダックスカンパニーの設立に至る。
健康産業への理念と収入の低さへの葛藤
設立にあたっては、スクールに通ったり、独学で経営について学んだりして、すべてひとりで行ったが「大きな苦労はなかった」という。有限会社という形態をとり、資本金は自身で蓄えていた10万円のみ。人材も事務所も持たずに始めた。これについて下倉さんは「人を雇うことや、事務所やトレーニングのためのハードを持つことは継続的なコスト負担になるため、極力抑えたいと思っています」と話す。
現在の主な仕事は、病院と提携したリハビリプログラムの作成業務や、スタッフの派遣である。下倉さんがプログラムを構築し、派遣スタッフは自身が主宰する健康・医療・美容に関する人々が集まる「ノーボーダー」のメンバーや、仕事を通じて知り合った仲間からプログラムに応じて集めている。自身の役割を、「プログラムを必要としている組織や人と、そのニーズに応えられる人をつなぐこと」と位置づけ、プロデューサー的な活動を担っている。同時に、専門家が活動しやすい環境をつくるためのプロモーションとしてメディアとの橋渡しも行っている。
会社設立後、下倉さんがもっとも苦労したのは、仕事に割く時間と労力に比べて見合った収入が得られないという現実であった。自身の健康産業への思いが強いあまり、理念に合っていれば収入に見合わない仕事も引き受けてしまう。それが原因だとわかっても、思いを共有できる人との繋がりのなかで止めることもできず、自分の考えが間違っていないと確信しながらも、日々葛藤していた。結果として、スタッフへの給与やコストを差し引くと自身のマネジメント料はほとんど残らないという状態が続いた。さらに、その“お人よし”的に映る経営方針により、不本意ながらも事業ごと人に明け渡してしまうこともあった。
「大切なのはその事業を必要としているお客さまであり、その事業を継続することです。ですから、プログラムが存続されていれば、必ずしも当社が遂行しなければならないということはありません」と、当時を振り返る。
フィットネス業界の市場拡大のために
人間関係や金銭に関わる様々な問題を乗り越えてきた下倉さんが達した結論は、「自分の理想を実現させるための仕事と、収入を得るための仕事を分ける」ということであった。「自分の理想とする考えでは、フィットネスの仕事で儲けることができないことに気づきました(笑)。お客さまが健康になったとか、スタッフのスキルが上がったということで満足してしまうのです。そのため、ダックスカンパニーとしては、冷静にビジネスとして捉えられる、病院や企業でのコンサルティング業務が中心になっています。また、ビジネスパートナーと立ち上げたIT企業、クリエイティブリソースでは、オンライン予約など、企業やそのクライアントに対して、利便性の向上や経費削減につながるシステムを販売しています」
 このような収益構造に至った背景には、フィットネスビジネスの市場を広げたいという思いもある。
「狭いフィットネス市場のなかでお金を回すのではなく、フィットネス業界以外から得たお金を、うまくフィットネス業界とリンクさせて使うことで、もっと多くの人に健康が届けられるようになり、フィットネス市場の拡大にも繋げられると思うのです。だから、お金だけではなく、お客さまや人材もフィットネス業界に引き込みたい。そのためにフィットネスとメディアをつなぐ仕事もしています」
プロデュースできる人材を育てる
トレーナーやインストラクターの仕事を増やすという目的に対しては、まだ発展途上であるという下倉さん。今後そうした指導者が活躍できる場を増やすために、プロデュースやマネジメントができる人材を増やしていくことも目標に置いている。
「トレーナーの中には、フィットネスの技術や知識を高いレベルで持っていても、仕事の獲得や経営には弱い人が多いのです。だから、個々が収益を上げるための仕組みづくりをサポートしたり、クライアントとの交渉窓口となる人材を増やしたいですね。そのために、当社も人を雇うのではなく、プロデュースというかたちで雇用を創出していきたいです」
自分の役割とビジョンを明確にもつ下倉さんは、「ひとりでも多くの人を健康にする」ため、そして「トレーナーやインストラクターが食べていける環境をつくる」ために、かたちにこだわらず、目標に向かって一歩ずつ進んでいる。
名前有限会社ダックスカンパニー
会社名の由来 アヒルは優雅に水面を泳ぐが、水面下をみると足をせわしく動かしている。「見えないところでの努力」をしているアヒルのような、縁の下の力持ち的な存在になりたいという願いから。
所在地 東京都新宿区中井1-13-12 1F
Tel.03-5386-3016
設立 2004年2月
資本金 100万円
組織 2名
収支構造(売上)コンサルティング業務、プログラム企画、スタッフ派遣業務など 
    (経費)人件費、広告費など
名前パーソナルトレーナー
名前Mid Breathで現在もパーソナルトレーナーとしての仕事も続けている。

「プロデュースする側にいても、現場も続けていきたいです」